■保険会社勤務から独立系FPへ
−FPになられたきっかけを教えてください。
FPになる前は、保険会社に勤めていたんです。在職中から金融商品には興味があって、自分のお金をそれなりに運用してました。でも保険業だけの視野になってしまうので、いろんな金融商品を自分で選別できたらいいなあと思って、FPを取ろうと思いました。
当時は受講料が40万円くらいかかりました。でも、これも自分の勉強料だと思って受講しましたよ。
■FPになって身につけたのは面白い人生の時間の使い方
−実際にFPになってみていかがでしたか?
非常に充実しています。いろんな金融商品を網羅できたので、広い視野の中から選べるっていう選択の自由が楽しいです。あと、人生の中でお金ってどうしてもついてくることなので、それについて相談にのってあげるってことがすごく楽しいですね。やりがいのある、面白い人生の時間の使い方を身につけられたかなと思ってます。
あとは、自分の人生を違う視点で考える良いきっかけにもなりました。
−違う視点とは?
人生を長い目で考えられるようになるんですね。会社勤めの頃は、ここ1年とか、2〜3年くらいのタームでしか物事を考えてなかったんです。FPになってからは、10年、20年というタームで見るようになりますね。
この間も娘から「ファイナンシャルプランナーって定年あるの?」とか聞かれたりしたんですけど(笑)。「定年ないよ」って、自分が元気ならいくらでも仕事できるんだ、っていうことなんです。時間の使い方も変わってくるし、金融商品も、目先の損得勘定だけじゃない基準で選べるようになってきますね。人生の選択肢を増やす良いチャンスになったと思います。
■FPになって理想の生活を手に入れた
−資格を取って良かったと思われるのはどんな点でしょうか。
自分の人生をできるだけ自分でコントロールしたいっていう気持ちをかなえられたことですね。体調とか、家族の状況とかを見ながら、時間の使い方を自分でコントロールできるように・・・そんな形で過ごすのが目指してた生活の姿ですね。
−1日のタイムスケジュールはどういった形ですか。
昔は自宅で書き物をやっている程度だったのですが、今は3人で共同オフィスを設けて仕事しています。朝は子どもを早く学校へ送り出して、その後一通りの家事をやって、事務所入りが大体10時くらい。お客さんの相談なり取材のアポイントなりを受けるのが、10時半とか12時に1本。お昼は事務所のメンバーとご飯を食べに行きながら、みんなで情報交換。1時間くらいランチタイムをとったあとで午後はまた取材を受けたり、原稿を書いたり。日によってはセミナーに出かけて、事務所を空ける日もあります。
私の場合はどうしても子どもの夕飯タイムがあるので、大体5時半くらいで一旦家に帰ります。9時くらいまではもう嵐のように子どもの世話(笑)。で、実質10時くらいから夜の作業に入ります。お客さんの相談の資料作り、セミナーのレジュメ作り、原稿書きなどの執筆作業で、気づくと夜中の2時、っていうことが多いですね。
■仕事の柱は個人面談・執筆・講演の3種類
−具体的なお仕事内容をお聞かせください。
大きく分けて3本の柱があります。ベースとしては、個人の方から相談を受けてアドバイスをするというFP相談です。これがやっぱり、私には一番楽しい部分です。最初は不安だったっていう人が、これで落ち着いた、相談して良かったって言ってくださるのが何よりも嬉しいことなので。
ここは正直な話、コストパフォーマンスは良くないです。ただ、お客さんはこういう時にこう考えるのかってわかるのが大きいですね。住宅購入に関して、不動産屋さんがこういうこと言ってきたよ、とか、銀行がこういうローンを提案してきたよ、とか。生の現場の声はやっぱりすごく参考になります。
こういう情報を参考にさせてもらって、インターネットや新聞などでコラムを書くとか、本を書く。また、金融機関のホームページのコンテンツアドバイスをする。そういう仕事が2本目の柱です。
あと、FP資格取得の講座の講師や、セミナーや、講演活動のように人前で話す仕事が3本目。
■FPの重要性がどんどん知られている
−FPの認知度が上がってきていると思いますが。
昔は「FPって何?フルーツポンチ?」とか言われるぐらいの状態だったのが、今はFP=お金のアドバイスをしてくれる人っていうのが浸透してきましたね。
昔はほとんど、お金を払って相談するなんて方はいらっしゃらなかったんですけど、今はたとえば5万円くらい払ってでも、やってもらった方が安心だからお願いしますっていう人が増えてきました。だから多い月では1ヶ月に20名くらい相談の申込があったり・・・FPっていうものをもう少し身近に考えてくれるようになったようです。
−お金のことは専門家に聞いた方が良い、と思われるようになったのですね。
そうですね。昔は自分のお金のことをオープンに言いたくない方が多かったんですが、最近は、「ここまで教えてくれちゃうの?」っていうくらい、自分の家計のことを細かく出してくれる人がいます。おもしろい現象です。
■金融機関にとっても無視できないFP
−金融機関や住宅メーカーなどからのセミナー依頼などもあるそうですが。
お客さんとのやり取りの中で、一般の生活者の水準を生の数字で把握できると、今度は金融機関側がFPを無視できなくなるんですよ。金融機関側も、お客さんと直接通じているFPの視点が欲しいと思うようになるので、じゃあ詳しい人にセミナーを頼んでみようか、とか、そういう依頼が増えてくるんです。彼らには把握できない細かな家計の実態を知っていることは私たちの強みですね。金融機関などとお客さんとの間に立つのがFPっていう位置づけが定着しつつあります。
■今後は特別分野に特化したFPが強い
−今後のFPの社会的な地位はどのようになるとお考えですか。
今後はおそらくFPの中でも専門分野が出てきて、離婚に強いFP、相続に強いFP、年金に強いFP、みたいに分類されていくのでは?FPは、他と比べて、人生観に通じるところも多い資格なので、人生の生き方も考慮した相談ができる人っていう感じでFPが受け入れられていくんじゃないかと思います。
人生豊かに過ごしたいっていうのは誰しも思っていることでしょうが、FPはそこに直結する資格なんです。社会的にも自然とそれは認知されていくと思います。
■FPはどんな人生を送るにも必ず役立つ資格
−FPとはどのような資格だとお考えですか。
FPは皆さんの人生を、目指す人生にするための、使える資格・道具というイメージなんです。FPが最終目的ではなくて、「こんな人生を送りたい」っていう目標があって、それを達成させるための道具としてFP資格があると思うんですよ。別にFPの仕事で稼ごうと思っていなくても、自分の保障や運用とか、資金計画とかを、世の中の噂とか損得勘定に惑わされずに選んでいくだけで、結局は受講料分の元が取れてる、っていう話がよくあります。どんな人生を送るにしろ、必ず役に立つ資格です。
−これからFPを目指す人たちにメッセージをお願いします。
FPの勉強は自分の人生を考える材料になります。FPの勉強を自分の人生設計そのものだと思って楽しんで、それが最終的に資格として自分に付加価値もついて、今度は周りの人にメッセージ発信して喜ばれる。そんなハッピーな構造がつくれたら、もう本当に素晴らしい人生じゃないかと思います。そんな風に考えて、勉強も楽しんでいただけたらな、と思います。